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NO.103 長江 愛の詩(長江圖)

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監督:楊超  撮影:李屏賓 

出演:秦昊  辛芷蕾  王宏偉 2016 中国  115分









 今回は名匠・李屏賓のカメラで、上海から上流まで全長6300キロ、長江の姿を堪能していただこうと思います。悠久の大河・長江ですが、2009年三峡ダムが完成し、中国社会の急激な経済発展のもと、その姿は大きく変貌しました。映画はそんな長江を上海からさかのぼっていく貨物船の船長を主人公に、人も景色もあますところなく描き出します。
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 高淳は長江で荷を運ぶ貨物船広徳号の船長。都会に出ていましたが、父の死後、後を継いで船に乗り込むことになりました。違法な荷物の運搬を請け負って上海から長江をさかのぼる船旅に出る高淳。オンボロ船の広徳号はときに故障して止まってしまいますが、あるとき機関室で父が残した?手書きの詩集がみつかります。するとそれに伴って船はゆっくりと動き始める…「長江圖」と題された詩集に導かれるように、彼は長江をさかのぼっていきます。詩集には船の停泊地である南京、銅陵、武漢、宜昌と順次地名が書かれていますが、それぞれの地に着くたびに高淳は一人の女性と遭遇することに気がつきます。同じ長江に浮かぶ船に乗り込んでいる船員として、沿岸の町のの娼婦として、ダム建設の余波で捨て去られ荒廃した村にたたずむ女性として、会うたびに彼女、陸安は姿を変え、しかもだんだんと若返っていくようでもある。謎の女性に高淳は恋します。しかし三峡ダムを越えたあたりで彼女はふっつり姿を消し…いくつかのミステリアスな事件もからみますが、謎の解明よりは人物の感情を中心に描いた、幻想的な物語ですので、筋を追ったり論理性を求めると「わけがわからない」という感じになりそうです。陸安は最後に姿を現しますが、さあ、彼女は何だったのか…「長江の精」だったのだという説については監督自身が「否定はしないが、単純な説だ」と論評しています。つまり、見る人によっていかようにも解釈ができる物語であり登場人物だということでしょう。


 **************** 楊超監督は3年かけて7回の脚本改訂、長江を上り下りしてロケハン、準備をしたとか。全体では60日の撮影期間中40日は長江の船上で。寒い時期だったので役者もスタッフも大変苦労したようです。この映画には『長江の眺め』(監督=徐辛)というサイド・ドキュメンタリーもあって…