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NO.108 十年

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エグゼクティブ・プロデューサー 蔡廉明(アンドリュー・チョイ) 『エキストラ(浮瓜)』監督:郭臻(クオック・ジョン) 『冬のセミ(冬蝉)』監督:黄飛鵬(ウォン・フェイバン) 『方言』監督:歐文傑(ジェヴォンズ・アウ)   『焼身自殺者(自焚者)』監督:周冠威(キウイ・チョウ) 『地元産の卵(本地蛋)』監督:伍嘉良(ン・ガーリョン)               2015 香港  108分    香港では「逃亡犯条例」反対から始まった大規模デモが相変わらず続いています。返還から 20 年余り、習近平体制化では一国二制度も危うく、香港に住む人々としては先の見えない中国化に恐れを抱かざるをえないということでしょうか。今回はそんな香港で若い監督たちが作った 5 本のオムニバス作品から成る『十年』をご紹介します。 10 年後の近未来の香港社会をイメージした、いずれも恐れを感じさせるような問題作。私は 2016 年 3 月の大阪アジアン映画祭でのプレミアム上映を見ましたが、上映後の Q&A に現れた監督たちの若さと映画に対する真摯な姿勢に感心した覚えがあります。                                                     ****************** 『エキストラ(浮瓜)』 国家安全法を成立させるため、政治家と黒社会が手を組み要人のテロを目論む。襲う相手は 2 大政党のトップのどちらか…ただし実行者には「殺さない」ことが命じられる…? 実行を命じられたチンピラやくざは生活苦から浮かび上がるために実行を決意するが…。 『冬のセミ(冬蝉)』 発展の中で破壊されていく都市や自然をそのままの姿にとどめるため標本化する若い男女。 『 方言 』 タクシー運転手に北京語試験が課せられ、北京語車しか客を拾えない地域が指定される…。その中で広東語しかしゃべれないある運転手の苦悩を描く。 『焼身自殺者(自焚者)』 香港独立を目指し獄中ハンストで死ぬ学生、英国大使館前での焼身自殺が繰り返される香港、 2014 年の雨傘革命のシーンも盛り込みつつ、香港の苦悩を各界の著名人が語るという形をとるモキュメンタリ-。 『地元産の卵(本地蛋) 』紅衛兵まが