NO.104  52Hzのラブソング

監督:魏徳聖                     

出演:林忠諭(宇宙人osmos people・小玉) 莊鵑瑛(元綿花糖・小球) 舒米恩(トーテム・スミン) 陳米非(小男孩楽團・ミッフィ) 林慶台 趙詠華 張榕榕 范逸臣 田中千絵



  2017 台湾  109分


今回ご紹介するのは、『海角七号 君想う、国境の南』『セデック・バレ』の監督、『KANO~1931年海の向こうの甲子園』のプロデューサーとしておなじみの台湾のヒット・メーカー、魏徳聖監督が6年ぶりにメガホンをとった話題作です。撮る作品ごとに色合いが違う魏映画ですが、過去の3作は台湾と日本の歴史的な事件や関係の上に立つ物語という共通性がありました。でも、今回は、そういう意味ではまったく、全然違った味わい!…現代の台湾の都会を舞台に、ヴァレンタインデイの1日、恋人のいない花屋のオーナー女性と、注文を受けたチョコレートが、自分が想いをよせる女性からその恋人に贈られるものだと知りながら配達するパン職人。配達車の接触事故からこの日行動をともにすることになった2人と、彼がひそかに愛する、その女性・その長年の恋人など、周辺の人々をからめ、オリジナル17曲を配したおとぎ話のようなカラフル・ポップな色合いのミュージカル・エンターテイメントです。

 メインキャストは台湾でも有名なバンドやユニットの若い実力派ミュージシャンたち。さらに『セデックバレ』や『天空からの招待状』ですばらしい歌声を聞かせた林慶台(本業は牧師さん)、ベテラン歌手の趙詠華などを配して、聞きごたえ見ごたえのある楽しい(話の中身はちょっと切ないけれど)作品にしあがっています。映画のオリジナル楽曲の作詞は厳云農、作曲は李正帆、李王若涵(ジェニファー・ジョン・リー)、台湾ポップスを代表する黄金チーム。それに出演者たちが提供した曲も含まれています。題名の「52Hz(ヘルツ)」はこの周波数の音を発するのは世界で1頭だけというクジラの発する音の周波数。他のクジラとは周波数が違うのでコミュニケーションが取れず、大海をさまよう淋しいクジラと、登場人物たちを重ねているというわけでしょう。

 日本初映は2017年春の大阪国際映画祭。その年末には東京でも劇場公開されたものです。年末お忙しい時期ですが、どうぞ心の洗濯?を。気楽に?お楽しみください。



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電影倶楽部例会
      日時 2018年12月日(土)12:15~
      場所:中華五十番3F 042-522-7472
      費用:1050円(昼食代)

参加ご希望のかたは、以下にメールにてお申込みください。(当日午前9時まで)
xiaolin091@gmail.com


 

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